時を放浪

今の「リアル」を発信

イランとアメリカ

4月25日になれば私も23歳になります。本当なら社会人1年目の年齢ですが、まだ大学生をしているなんて想像もしていませんでした。社会人1年目の年齢になるなと去年あたりから思い始め、休学をした時から新聞やニュースを見るようにしました。ニュースで気になった事を自分で調べ始たら色々な知識が付くし、意外にも面白いなって思えた新しい発見です。私は他の人に比べて不器用で考えるのに時間がかかるタイプなんです。案の定、何も考えずに大学通っていました。それでも休学して自分をもう1回見つめ直したら、将来やりたい職業も見つかったし、あのまま大学通わなくてよかったなって思っています。もしあのままだったら、留年しまくって親のありがたみも感じず、不登校で何も考えないクソみたいな学生だったなと思いました。考えるだけでゾッとする。。。。

 

そんな私に将来を考えさせたきっかけがニュースと新聞なんです。私の周りも社会人1年目の友達や、就活を頑張る後輩、社会人2年目を迎える先輩と、何かと社会と接する人が溢れてきました。そのためこのブログも、もっとみんなに有効活用してもらいたいと思い、ある事をしていこうかなって思います。それは話題のニュースを詳しく説明・解説のコーナーです。「社会人はニュースや新聞を通して現代社会で何が起きているのか把握するのは当たり前だし、社会で起きている事を知らない社会人は恥ずかしい」と社会人の姉が言っていました。就活生も何かと時事ネタって必要ですよね。なので皆さんにとって有効なブログになれば、皆さんのお役にも立てるし、僕も調べたりして勉強になるのでお互いいい事しかないなと思いました。という事で今回はその第一弾をしていこうかなと思います。コロナに埋もれがちですが今回は

 

アメリカとイラン 」

 

について書いていこうと思います。なぜこの2カ国を今、ピックアップするのかというと、コロナのニュースで埋もれていますが、この2カ国間の喧嘩がまた注目を浴びています。今年の頭に世界が緊張に包まれたのを皆さんは覚えていますか?アメリカ軍がイラン革命防衛隊の司令官を殺害しました。それに対してイランもイラクにあるアメリカ軍基地を爆撃し、報復を行いました。このような出来事が起きましたが、両国話し合いを行い仲直りをしたように見えました。

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しかし!

 

そう簡単にこの2カ国が仲直りするわけないじゃないですか(笑)もっと言ったらお互い嫌い合ってますからね。長い歴史を見ると2カ国の間に何があったのか理解できます。ちなみにコロナウイルス関連のニュースによりあまり注目を浴びていませんが、先週ペルシャ湾アメリカ軍の戦艦とイラン革命防衛隊の船が急接近するような出来事がありました。また世界で緊張が走ろうとしています。なぜここまでこの2カ国が犬猿の仲になったのか説明。解説を行っていこうと思います。

 

①2カ国の歴史

まず最初にイランとアメリカの間を簡単な年表にして紹介します。今回の年表では大きな出来事を軸に書いていきます。その前に一言言わせてください。もしこの2カ国間で戦争が始まった場合、日本も被害を大きく受けるということだけは理解してください。その説明も最後にしていきたいと思います。この流れに沿って説明をしていきたいと思いますが、長く説明・解説を行ってもややこしくなるだけなので出来るだけ簡潔にまとめて話してきます。

 

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②モサデグ首相の失脚

元々イランは、今の国の形とは異なり王国だったんです。そのため王様が存在していて王様が国をまとめる、王政を行っていました。王国の歴史が長く続きますが、その中でパフラヴィー2世が王様になることできっかけが生まれます。パフラヴィー2世はアメリカやヨーロッパ諸国と仲良くしたい!って思いが強い親英・親米派の人でイランの近代化を目指していたんです。このパフラヴィーの思想にもちろんイギリスとアメリカは食いつきます。なんで食いつくかというと、両国とも石油を自分のものにしたかったからです。

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しかし欧米と仲良くはしたくない!という勢力が出てきます。それは民族主義の勢力です。パフラヴィーさんは、欧米の力を借りて国の近代化を目指しましたが、この勢力は外国勢力には力を借りず、独立を目指す考えでした。この当時は、欧米の石油会社が石油を独占していたんです。イラン最大の売りである石油の利権を外国に握られているため、国民たちも含めて抵抗運動が強まってしまいます。そして1951年、民族主義のモサデグしが首相に就任。モサデグさんは石油の国有化を宣言して、外国の石油会社をイランから追い出しました。これにもちろんイギリスやアメリカは反発します。それはそうですよ。生活の必需品の石油を確保できれば、儲けすぎて笑いが止まらなくなりますからね。どうしても欲しいものだったんです。

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そこでアメリカが動きます。クーデターを操作してモサデグ首相を失脚させようぜ、、、っと。思惑通りモサデグ首相が失脚、バフラヴィー2世がまた実験を握りました。そして欧米との関係は強くなり、石油の権利は欧米が実質的に支配することになるんです。

 

バフラヴィー2世を仲介した形にはなりましたが、イラン国民にしてみれば自分たちの宝を無理くり奪われた形になります。この時点からイラン国民はアメリカに対して苛立ちを覚えるようになりました。

 

③白色革命

上記の説明を見ると、パフラヴィーは国をよくしようとしたいい奴だなって思う方もいるかもしれません。しかし実態は違います。アメリカと共に石油で生まれたお金を自分のためだけに使っていたんですね。「 白色革命 」ではこれがキーポイントになっていきます。

 

早い話、白色革命というのは無理やり西洋化、近代化にしようというものでした。これに反対したのが民族主義者と宗教勢力です。なぜ宗教勢力が反対したかというと、中東ではイスラム教が主な宗教として広まっています。西洋化が進むとコーランのの教えに背く行為も含まれていたからなんです。コーランとはイスラム教の聖典であり、神様のお言葉が書かれているものです。

 

しかし、改革に反対する勢力は弾圧をされてしまい、国外へと追い出される形になってしまいました。国民の頼みの綱である指導者たちが国外へと亡命したものだから、国民たちは被害をめちゃくちゃ受けます。急激な近代化を推し進めたことにより、貧富の差は広がり、年には地方からの農民が流れてきます。そうなると農村は疲弊してしまい、国民の間で経済的に差が生まれてしまったんです。それに伴い王政に対する不満が高まってしまいました。しかし、宗教指導者たちは諦めていませんでした。次の話に出てくるホメイニ師によって、また革命が起きるんです。

 

イラン革命

パフラヴィー2世の独裁体制は崩れ、革命がおきます。それがイラン革命というものです。今回の話の主役はホメイニ師です。この人は近代化に対して反発を行っていたんですが、国の弾圧によって国内にはいられなくなり、フランスのパリに亡命します。しかしホメイニ師は国民を裏から反政府運動を指導します。きっかけは1978年に学生らによって行われた反政府デモが弾圧をされます。この弾圧を機に全国で王政に反対する動きが広がりを見せていくんです。この反対運動を抑えきれなくなったパフラヴィー2世は国外に脱出し、王政は崩壊する形になりました。そして同じ年に宗教指導者ホメイニ師はパリからイランに凱旋帰国をします。これによりイランでは近代化を進める考えではダメだと改めて気付かされ、コーランに則ったイスラム原理主義というのを軸に新政権が樹立することになります。それが、今のイランであるイラン=イスラム共和国です。これによって元々毛嫌いしていたアメリカを真っ向から反米路線を掲げ、対立していくことになります。

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⑤米大使館人質事件

ホメイニ師を最高指導者として生まれた新政府は、どんどん反米政策をぶちかましていきます。パフラヴィー2世の時に合意した中央条約機構も脱退するなど強固な姿勢をとり続けたんですね。しかしある事件が起きます。アメリカがイランから逃亡したパフラヴィー2世を受け入れたんですね。アメリからしたら何もおかしな事をしていません。自分たちと友好な関係を築いた人を自分の国に逃げておいでって招いたんですから。しかしこれにイランの国民は激怒しました。これによって起きたのが米大使館人質事件です。ホメイニを支持する学生がテヘランにあるアメリカ大使館を襲撃して、1年以上も大使館員とその家族52人を人質にしたんです。当時のアメリカもこれに手を焼きまして救出作戦は失敗に終わるなど波乱が起きました。しかしこの事件がある戦争のきっかけを作ってしまいます。これをアメリカ国内では毎日のようにテレビで報道。アメリカ国民はイランの事を敵対視するようになります。

 

仏教でも宗派が別れる様に、イスラム教でも宗派が分かれています。イラン革命を指導したのはホメイニ師です。ホメイニ師イスラム教のシーア派に所属しており、シーア派が政権を握ってしまうものだから、近隣のスンニ派が政権を握る国がシーア派による革命を恐れて懸念したんです。そうなるとシーア派が政権を握っているイランをどうにかしないといけないと考えたのがイラクでした。当時イラクではサダム・フセインが政権を握っており、そのバックにはアメリカが付いていたんです。そのアメリカが支援を行うことで、イラン革命の混乱にじょうしてイラクがイランに侵攻を始めました。これがイランーイラク戦争の始まりです。これは8年間にも及ぶ泥沼の戦いになりました。

 

⑥核疑惑

そして時代は2002年。イランとアメリカの仲の悪さは続いていますが、もっと仲悪くなる出来事が起こります。イランが核兵器を開発してるんではないかという疑惑が生まれたんです。これに世界からは避難が殺到しました。もちろんアメリカはイランに対して大バッシングの嵐です。しかしイランは戦争利用ではなく、あくまで平和利用のための開発だと否定しました。しかしアメリカや西欧各国などは経済制裁をイランに対して実施しました。

 

 

⑦核合意

イランとアメリカの仲の悪さはこじれて行き、誰しもがダメだと思った時でした。当時アメリカ大統領だったオバマさんが政治的な大きな遺産と言われる大きな仕事をこなします。それが核合意です。なぜこれに至ったのかを説明すると、2009年にオバマ政権が発足しました。当時オバマさんは中東をすごい大事に考えていたんです。なぜか中東は世界のエネルギー源であるためです。アメリカとイランの犬猿の仲を承知でオバマさんは自ら歩み寄ろうとしたんです。これには世界から賞賛の嵐でした。行くところまで行ってしまった2カ国の因果が断ち切れる主観だって誰しもが思いました。

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オバマさんはイランが核開発を大幅に制限する代わりに、これまでしてきた経済制裁を解除するよって言ってくれたんです。これにイランは即合意しました。多分この時みんなが思ったと思います。平和くるんじゃない?ってしかしこの流れをぶった切る人が登場します。

 

⑧核合意脱退

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それがみんなのトランプさんです。トランプさんはオバマさんが作ったこの核合意を即刻抜けます。ちなみに両国がまた犬猿の仲になったのはこの核合意からの脱退が原因だと言われています。

 

トランプさんはオバマさんの事が嫌いだと思います。オバマさんがやってきたこと全てを無に帰すことをしているんです。核合意も、保険制度も、色々とぶっ壊しをしています。オバマさんはどちらかというと、みんなで手を取り歩むイメージを持っていたのですが、トランプさんはアメリカ至上主義で、アメリカは世界のリーダでなければならないっていう考えを持っているのかもしれません。

 

話がずれましたが、トランプさんはこの核合意を脱退。その行動にイランは苛立ちを覚えます。「お前たちがそんな態度ならいいよ!」と言わんばかりの対応を見せてくれました。2019年に核合意に基づく核開発の制限を破棄したんです。そんなことをするもんだからお互い行動がヒートアップします。アメリカは原子力空母をイラン周辺に派遣して圧力をかけたり、イランは米軍の無人飛行機を追撃したり、ちょっとした殴り合いがまた始まったんです。そしてこの殴り合いが年末から年明けにかけて行われる、イラン革命防衛隊ソレイマニ司令官殺害と米軍基地攻撃につながっていきます。

 

いかがだったでしょうか。また緊張の糸が張り詰めているイランとアメリカの関係。その仲の悪さには昔から続いていたんです。今後もこの2カ国がどのように進展していくのか世界が注目しています。皆さんも動向に注目してみては?

 

 

さて、この2カ国の関係がなぜ日本に影響するのか?答えは簡単です。日本の原油は8割近くが中東から輸入しています。これが戦争などでストップしてしまうと一気に今の生活ができなくなってしまうんです。さらにイラン対アメリカの図に色々な国も絡んでするでしょう。そうなればアメリカと友好関係を築いている日本も戦争の一部分に関与しなくてはいけなくなるかもしれません。米軍基地がある沖縄も狙われる可能性ありますよね?

 

今はコロナでそれどころではないかもしれませんが、こっちの張り詰めた糸もコロナ以上に危険なんです。コロナの影響により日本は大きな経済ダメージを受けました。仮の話でしかありませんが、もしこの時期に戦争が始まった場合は下がった経済を元通りに、それ以上にするには何が1番手っ取り早いでしょうか?軍事産業ですよね。兵器を作り売るのが1番簡単です。もちろん軍事産業に走ればその生産元は相手国に潰されます。っていう風に考えることもできます。軍事産業の話は最悪の場合でしかありませんが、原油は本当に私たちの生活を一気にどん底に陥れる可能性があるんです。

 

あまり関係がないと思われる世界の出来事だって、よくよく見てみれば自分たちの国、生活に影響を及ぼすかもしれません。社会人として知識をつける上でも世界情勢は細かくチェックしておいたほうがいいかもしれませんね。

 

おまけにガソリンもっと下がると思いますが、今の時期車持っている方は満タンにしておいたほうがいいですよ。くそやすい。